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地力について

地力について 微生物農法は土耕栽培によって農作物を育てています。したがって、その土の機能が作物栽培にとって最も良い条件となる土づくりからスタートします。
土耕栽培にはなんといってもその土の能力、いわゆる地力の有無が作物の順調な生育の鍵を握ります。さて、地力とは何でしょう。地力とは、「作物が欲しいと思っている水と養分と酸素を、欲しい時に欲しいだけ供給でき、微生物の活動が旺盛で、作物に有害な病原菌の繁殖を抑え、強健な作物を育ててくれる土の力。」と、定義付けできます。人で言えば体力とでも言えましょう。こういう機能を持つ土に改良することが土づくりの目標です。

作物が満足に育つためには、その作物に適した光・温度・空気・水・養分の充分な供給が必要です。水と養分のほとんどは根から吸収します。根は呼吸作用をしているので空気(酸素)も必要です。この大切な役割を持つ根を順調に伸張させるためには、その培地である土が根の伸張しやすい環境であることが必須になってきます。人体に例えると、根はいわば腸壁(吸収)にあたり、土が胃腸(消化・分解)です。私達がどんなに栄養価の高い食べ物を食べても、胃や腸の消化分解吸収機能が衰えて(下痢や消化不良)いますと栄養にはならないのと同様に、どんなに肥料をやろうともそれを消化できる土、吸収できる根がなければ作物は育ちません。ここで働いているのが腐植や土壌微生物です。

地力を高める私たちの技術

地力を高める私たちの技術 私たちの微生物農法には3つの主となる技術があります。
1.土こうじと温醸堆肥による土づくり
2.有機質発酵肥料による生育健全化
3.葉面散布による糖やミネラルの補給や光合成の促進

また、これらの他に新たに研究し実践してきた、太陽熱と発酵熱で土壌をクリーンにする技術などを複合的に利用することにより、土地に力を与え、農薬に頼らず、土地が疲れて痩せることなく持続的な農業を実践してゆく手法を提唱しています。
これら私たちの技術の主となる部分について簡単ではありますが、説明していきます。

1.土こうじと温醸堆肥による土づくり

1.土こうじを利用した温醸堆肥による土づくり 昔から「土づくりは堆肥の施用から」と言われてきました。土づくりを目的とした堆肥施用効果は、土壌の理化学的条件(通気性、排水性、保水性、保肥性)を改善し、土の孔隙率を高くし、易耕性を高めることにあります。堆肥の施用により、その土中分解の過程で生成される各種養分は、作物の健全な生育に必要なバランスのとれた成分内容を持ち、その持続性のある肥効によって作物は健康に育っていきます。
良質堆肥は土壌中に生息する有用な腐生性生物や微生物の栄養源として利用されるアミノ酸や糖類、高級アルコール、有機酸、ミネラルなどを放出しながら土壌腐植(ヒューマス)化することにより、土壌固有の生物の生態系(ミクロフローラ)を改善し、病原菌や害虫の生息密度を低下させ、健全な土づくりに効力を発揮します。微生物農法では良質堆肥の生産技術を重視し、中性完全ヒューマス生成率が高い堆肥の生産に研究努力してきました。その成果が好気性発酵堆肥、すなわち「温醸堆肥」です。
また、微生物農法創始時代から研究使用してきた土づくり資材「土こうじ」も大きな役割を持っています。土こうじには、有用な腐生性の好気性の細菌、放線菌、酵母菌、糸状菌が、土壌の孔隙中に安定したコロニーを形成しています。その数は土こうじ1グラム中に数億から十数億の莫大なものです。土壌の生態系を良好にし、病原菌の活動を抑止するほか、そこに生息する微生物群の分泌する酵素作用で施用圃場のく溶性のりん酸やカリ、苦土、石灰などのミネラルを可溶化し、肥効向上や土壌の理化学的改善などの総合的効果があります。

2.発酵肥料による生育健全化

2.発酵肥料による生育健全化 発酵肥料には次のものがあります。

有機質発酵肥料
微生物農法では栽培にあたり有機質肥料を用います。しかし、有機質肥料といえどもその使い方を誤ると土壌中での酸欠、有害ガスや病虫害の発生など弊害がでます。そこで、お酒やお味噌などを発酵させてつくる醸造発酵と同じように事前に発酵処理し、加水分解させ弊害を取り除いてから施用します。この加水分解発酵処理により、例えば有機質肥料に存在するタンパク質がアミノ酸に加水分解され、アミノ酸の一種であるプロリンが生成されます。このプロリンが根から吸収されることで植物体の光合成機能を高め、糖生産により含糖率を向上させます。「天候のよい年は豊作になる」は常識ですが、これは光合成が盛んに行われ植物体の含糖率が高まることにほかありません。
また、加水分解により肥料の分解が持続的で肥効が安定し、根からの肥料吸収バランスが保たれ、これも光合成機能を高くします。さらに、土中の有用微生物の活動を高め、不可給態のリン酸やマグネシウム・微量要素の分解を促し、その吸収を高めることになります。勿論、含糖率が高まることは作物の健全化および甘味・食味を上げることは言うまでもありません。
このほか発酵肥料中には多量の酵母が繁殖し、その発酵生成物として核酸やビタミンB群・UGF(生長促進未知因子)・各種ホルモンが生産されます。核酸は根や葉から簡単に吸収され植物の耐寒性を高めたり、細胞分裂を活発化し、そして含糖率を高めます。ビタミンB群は品質の向上につながります。
このように植物の養分のみならず、この発酵肥料は土壌中の有用微生物の培地(エサ)と棲家となって繁殖を促し、有害菌密度を下げてくれます。

リン酸発酵肥料
日本の土壌は一般的にリン酸の天然供給量が少なく、またリン酸が効きにくい形です。リン酸を如何に効かすか。そのためにつくられた肥料です。これを積極的に用いる効果は、地温の向上・根の発育促進・光合成による糖の生産向上・生長点の分けつ促進など多岐にわたり、また生殖機能の向上・着花受精率、着果率の向上にもつながり、稔実・着色・糖度の向上に大きく関与しています。また、土壌中の有用微生物にとっても大切な養分となるので、土壌中の細菌、酵母などの繁殖により土壌のもつ加水分解機能の向上にも役立ちます。

酵素発酵液肥 天恵緑肥
天恵緑肥は植物の葉緑素を充分に含んだ葉を集め、発酵によってエキスを抽出・発酵させた液肥です。葉のエキスには20種類のアミノ酸・無機塩類を含んでおり、人間で言うところの血液にあたります。つまり、植物が必要とする養分その他をバランス良く具備したものです。
 また、天恵緑肥は発酵の過程で多量の発酵生成物を生産し、なかでも植物生長ホルモン(オーキシン・サイトカイニンなど)の効果は顕著なものがあります。これを潅水で用いることにより植物の毛細根の発生を促し、新根の発生に大きく効果を表します。そのほか、天恵緑肥を含んだ水はクラスターの低下(水分子の分散化)で土壌中への浸透が良くなり、土中への酸素供給など様々な効果があり、連用することにより土壌の団粒化・未利用の肥料成分(ミネラル)の分解可給化・有用微生物の繁殖促進とまさに天の恵み、究極のリサイクル酵素液肥です。

3.葉面散布による糖やミネラルの補給や光合成促進

3.葉面散布による光合成促進 微生物農法による葉面散布法は、使用する散布液が、酵素の分解作用によって生成された細胞組織に浸透性の高い活性ブドウ糖、果糖などの糖類を主成分としています。これら糖類だけでなく培養中に微生物によって生成された発酵生成物(アミノ酸、各種有機酸、アルコール類、核酸、ビタミン類、酵素群、植物ホルモン、UGF)が含まれており、すみやかに葉面から浸透し、作物の生理作用を整え、光合成で生産されるブドウ糖の人為的な補給となり生殖機能や稔実性も高めます。また、日照不足や窒素過剰により軟弱に育った作物を健全化し耐病性を高めることから、無農薬栽培の可能性を高めます。このことから「黒砂糖農業」という異名をとるほどになっています。

太陽熱と発酵熱で土壌をクリーンに

同じ作物を連続して栽培(連作)を行うことは、非常に土を酷使し、微生物相(ミクロフローラ)の偏りを生じさせてしまいます。ここで避けられないのが連作障害です。そこで、微生物農法は従来の太陽熱土壌消毒法に発酵熱を応用し土壌の有害微生物の防除を行っております。従来の薬剤処理による土壌の完全消毒ではなく、太陽熱と有用微生物の発酵熱と天敵作用によって熱に弱い有害微生物のみを駆除しますので、処理後の微生物相の乱れがありません。同時に処理後には有用菌が大量に繁殖し、有害微生物の密度を持続的に下げ土壌の生化学性を改善し、連作障害を防いでくれます。
さらには従来の太陽熱土壌消毒法は湛水できる圃場に限られ、また処理期間も1ヶ月(晴天日)必要としていましたが、ソイルクリーンを使用し発酵熱を応用することで、畑状態でも消毒を可能とし、処理期間も2週間(晴天日)と短縮されます。